今年は140冊、ここ数年変わらずの読書量です。
あまり忙しさには比例しません。
忙しさよりも読書の方を優先しますから!?
今年の読書スタイルは、新書関連の本で話題になったものを手に取るも、ほとんど挫折して数ページしか読まず。
合わないものは読まない、諦める。
去年までだとなんか違うなと思いつつも、最後までしつこく完読するタイプだったものが一変した年。
新書で完読したのは、今年は「嫌われる勇気」ぐらいかも。
さて、今年の出会いは、「本のある生活」を楽しむためのブランド、BIBLIOPHILIC(ビブリオフィリック)。
積まれた本の上にのった黒猫の愛らしさ。
息子からのいただきもの帆布トートバックとカップ。
近々「BIBLIOPHILIC & bookunion 新宿」のお店に是非、行きたいと思ってます。
さて、2014年ランキングの発表です。
第10位は、
![]() | アイネクライネナハトムジーク 伊坂 幸太郎 幻冬舎 2014-09-26 by G-Tools |
私の中で井坂は殿堂入りなので、ここ数年順位には入れなかったのですが、あえて今年は10位に。
最近、いろいろ冒険した小説が多かったなかで、この作品、初期のころのスタイルに戻った懐かしさを感じる短篇集。
確かに「アイネクライネナハトムジーク」は、そんなに新しい作品ではないものの、これを土台にした連作が小気味良いテンポで進み、いろいろな箇所にちりばめられている伏線のヒント、最後はストンと落ちる種明かし。ちょっとした幸せを感じる瞬間です。
第9位は、
![]() | いつか、あなたも 久坂部 羊 実業之日本社 2014-09-11 by G-Tools |
今年初めて出会った(読んだ)医者でもある著者。
この作品の前に読んだ「芥川症」は、芥川作品を元に医療を絡めて書かれた現代社会へのアンチテーゼともとれる内容で着眼点がすごいと思った。
新刊のこの作品、芥川症とは対照的に、医療人として終末医療の現場を経験している立場として、現実を直視し過酷さを伝えている。
けれど、この作品の本質には優しいメッセージや希望が込められていて、それぞれに余韻が残る温かい短編集となっています。
第8位は、
![]() | 画本 厄除け詩集 井伏 鱒二 金井田 英津子 長崎出版 2012-10 by G-Tools |
金井田 英津子作品はインテリアとして飾っておきたい本。
文豪の世界を見事な版画で表現しているアート的な画本。
夏目漱石や萩原朔太郎などとの作品もあるが、その中でもこの井伏作品の絵がいちばん、繊細で幻想的で何度でもページをめくってしまう。
装丁の赤ともオレンジとも言い難い色合いが好き。
そして、旧字体で書かれた詩集。
分からない漢字を紐解きながら、昔の文学の不思議空間に迷い込む。
プレゼント本としてきっと喜ばれます。
第7位は、
![]() | 男ともだち 千早 茜 文藝春秋 2014-05-25 by G-Tools |
男ともだちハセオとのこんな素敵な関係はありえない!と思いながら、それでもなんだか共感できたりとテンポよく読了。
舞台が京都・大阪、富山という乾いた東京でないところも心地よい。
ハセオ曰く「5年たったらいろんなもんが変わるぜ」確かに・・・心に響く言葉。
第6位は、
![]() | チーム 堂場 瞬一 実業之日本社 2010-12-15 by G-Tools |
箱根駅伝好きとして、今まで見逃していたことに後悔。
学連選抜という今までの駅伝作品とは視点を変えた物語。
通常のチームプレイとは違う寡黙な駅伝チーム。
選抜チームは今まで素通りして見ていたけど、次回の箱根はまた違った視点で見ることが出来ます。
第5位は、
![]() | 紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている 佐々 涼子 早川書房 2014-06-20 by G-Tools |
去年のエンジェルフライトに続く、佐々氏の感動的なノンフィクション。
震災から4年、まだまだたくさんの問題を抱えながらも、製紙工場の人たちの気概が伝わってくる。
震災復興だけでなく、紙の大切さ、本を愛する人にも伝えたい1冊。
電子書籍を否定するつもりはないけれど、紙の本はより人間の感覚を刺激する。
第4位は、
![]() | 妻が椎茸だったころ 中島 京子 講談社 2013-11-22 by G-Tools |
今年も中島京子作品に魅了された。
新作、まだ読んでいなかった旧作とも、どれもそれぞれ違った面白さがあって飽きさせない。
「均ちゃんの失踪」「エ/ン/ジ/ン」「パスティス 大人のアリスと三月兎のお茶会」を含めた今年読んだ4冊とも秀悦な作品だ。
第3位は、
![]() | とっぴんぱらりの風太郎 万城目 学 文藝春秋 2013-09-30 by G-Tools |
この本で今度こそは直木賞を!と祈っていたのですが、残念。またも逃す・・・
文藝春秋出版だからもしやと思ったのに、まあ賞は大人の事情も絡んでいるのでおまけだ。
今回も万城目ワールド、奇想天外ながら人々の人間描写がおかしく切なく哀れなり。
どんどん進化する著者の凄さに圧倒され、豊臣家の妄想は膨らんでいくのである。
次回の大作に大いに期待する。
第2位は、
![]() | インフェルノ (上) (海外文学) ダン・ブラウン 越前 敏弥 角川書店 2013-11-28 by G-Tools |
ヨーロッパに今まで全く憧れがなかった人間が、はじめて訪れてみたいかもと思わせた本になりました。
イタリアからイスタンブールへの旅、もう一度読みなおしたらまた仮想旅行が楽しめます。
そして、すでに映画化も決定されているとのこと。
映画で旅行気分を味わえるのももう少し、それまでに舞台となる歴史の勉強もしておくとさらに楽しめるはず。
ラングドンシリーズの次回作も楽しみ。
第1位は、
![]() | 沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一 (角川文庫) 夢枕 獏 森 美夏 角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-10-25 by G-Tools |
この本、4巻シリーズの大作。
17年間で完結した巻物を1ヶ月で読み上げた充実感と贅沢さ。
文庫本の装丁は空海が今風のイケメンに描かれているけれど、ハードカバー本の装丁は妖気漂う怪しげなデザイン。
(上記画像は文庫本)
女性好みの本ではなさそうだけど・・・どこの書評だったろう(もうすでに記憶にない)絶賛していたので、疑い深げに読みすすめていくうちに、ハマってしまってる(笑)
途中から空海はまさに私のヒーローになっていた!
ということで、日本男子の本当のカッコ良さは奈良・平安、唐の時代にあり。
歴史、SFファンタジー、魔界・妖怪なんでもござれの世界。
女性の方にもお勧めです、陰陽師も書かれている著者ですから。
さて、恒例おまけの番外編。
一生モノのジャズ名盤500 (小学館101新書) | |
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最近、車を運転していてもラジオから流れてくる曲はどうも受け付けない。
今流行りの曲もすぐに飽きてしまうし、若かれし時代の曲を聴いて感傷に浸る気分でもなく・・・
なにかさらりと聞ける心地良い音楽が流れていて欲しい。
ということで、ジャズを聞こうということになったが、いろいろジャンルがありすぎて、自分の耳に合うJAZZに出会えない!
で、何冊か本なども紐としてみたが、それでも出会えず諦めかけていたところにこの「一生モノのジャズ名盤500」
ジャズのカテゴライズが一般的な分け方でなく、自分が求めていたジャンル分けにピッタリ。
でここでベストマッチな作品群に出会えた素敵な指南本。
このカテゴライズの手法は、まさにWebサイトのカテゴリ(メニュー)設定にも大いに勉強になる分け方で、とても勉強になった1冊でもある。
この本とYoutubeでの視聴、楽しい選定のひとときでした。
今年も本を通じて、いろいろな出会いや発見がありました。
また来年も変わらず、読みたい本を読んでいきます。
ちなみに2014年までに読んだ本のリストは、よんだ4!のサービスを利用してアーカイブしています。
本を探している人は、ご参考に(なるかも知れません)