勤怠システム導入、タイムカードから指静脈認証へ!…のはずが、2ヶ月でICカード打刻に変更した理由

勤怠システム導入、タイムカードから指静脈認証へ!…のはずが、2ヶ月でICカード打刻に変更した理由

製造業系の企業で勤怠システムを導入する際、従来のタイムカードから「指静脈認証打刻」への切り替えを行った。

しかし、2ヶ月間の運用を経て、結果的に指静脈認証から「ICカード打刻」へ変更することになった。今回はその経緯と理由について記す。

今回導入した会社の環境は以下の通りである。

  • 業種:製造業
  • 従業員数:約60名
  • 2拠点で営業(各拠点に静脈認証機器を購入)
  • 就業時間:8:30~17:00、土日祝日休み(2交代やシフト勤務はなし)

1.なぜ「指静脈認証」を選んだのか?

一番の理由は「なりすまし打刻ができないこと」であった。

これまでのタイムカード打刻での代理打刻などの問題が発生していたわけではないが、経営者サイドからの要望もあり、セキュリティ精度の高い指静脈認証の採用が決定した。

導入にあたっては、全社員の指静脈データをリーダーに事前登録して準備を進めた。

2.運用開始直後に発生した「認証エラー」の壁

勤怠システムの導入前、10数名を対象に「QRコード打刻」でのテスト運用を行っており、その際は特に問題は発生していなかった。しかし、全社員を対象にタイムカードと指静脈認証の平行運用をスタートした途端、思わぬトラブルが起きた。

開始早々、数名の社員が「認証できない」という事態に陥ったのである。

この機器は3回連続で失敗すると「打刻できませんでした」とエラー表示される。再度トライすることは可能だが、エラーになる人は何度やっても認証されず、次第に打刻待ちの行列ができるようになってしまった。

打刻できなかった場合、後からシステム上で出勤時間を手動申請することもできるが、毎日エラーになる社員にとっては大きなストレスである。

2ヶ月間の平行運用で、どうしても認証が上手くいかない人は全体の一定数(数名)に上った。利用している機器(日立ソリューションズ製「静紋J3001」)の仕様を確認すると、以下のような記載があった。

極度な貧血状態により血液中のヘモグロビンが少ない場合など、登録、認証ができない場合があります。

その他にも、いろいろ調べたところ

  • 手の冷え
  • 指の当て方
  • センサーの汚れ

などが原因とされているようだ。
確かに導入時期は、1月、2月といちばん寒い時期であることから、手の冷えが原因であることは十分考えられる。

手をこすって温めたり、別の指を登録したりと様々な対策を試みたが、一定数の認証できない人は解決することが出来なかった。

3. 代替案の検討と「ICカード」への移行

毎回打刻できない人が一定数いること、そして「日によっては認証できない」という不安定さもネックとなり、最終的に打刻方法を根本から見直すことになった。

複数の打刻方法を併用する案もあったが、全員の出退勤体系が同じであるため、「全員統一の打刻方法が望ましい」という結論に至り、代替策を選定した。

結果として、ICカード打刻に移行することとなった。

勤怠システムには様々な打刻方法が用意されているが、それぞれにメリットとデメリットがあり、業種や環境に合わせて最適なものを選ぶ必要がある。

ICカード打刻は、リーダー、ICカードとも安価なため、初期導入費用が抑えられるというメリットがある。
一方で、「出退勤時に必ずカードを所持していなければならない」という煩わしさや、忘れる・紛失のリスクが伴う。この点においては指静脈認証の方が優れている。

なお、テスト時に運用していた「QRコード打刻」の検討もされたが、「私用のスマートフォンを業務に使いたくない」という声があったため、今回は見送る形となった。

環境や状況によって「最適な勤怠システム」は変わるものだと、今回の導入を通じて強く実感した。

  1. 静紋J300:日立ソリューションズ ↩︎